2004/11/15に発表された著作権分科会法制問題小委員会(第3回)議事録の中で資料3の
著作権法改正要望事項に対する各府省の意見についてに於いて
経済産業省の反対とも思われるパブリック・コメントが随所に見られました。そこで経済産業省のWebにアクセスしてみた所、文化庁の見解と異なる部分が多々見受けられましたので、紹介したいと思います。
例えば、
重点的に取り組んでいる課題の1-3 内外一体の対外経済政策を推進するから引用すると
【基本方針】 経済成長の著しい東アジアと我が国は、経済的な相互依存関係を昨今、益々深めている。東アジアは、我が国との関係で輸出入では約4割、直接投資では約3割弱と高い比率を占めているほか、輸出入の内容でも中間財の取引量の割合が急激に高まっている。
今後、少子高齢化が本格化していく我が国としては、中国を初めとする東アジア地域をビジネスのパートナーとして捉え、我が国の強みを生かせるような適切な国際分業を実現すべく、これらの地域と市場の一体化を目指した経済連携を押し進めることにより、我が国の経済成長・産業再生の原動力としていく。このため、東アジア地域との経済連携を図るための環境を整備し、貿易・投資障壁の排除、規制・制度の調和、知的財産や投資に係るルールの透明化を進めていく。これにより、シームレスで円滑な経済活動を可能とする「東アジア自由ビジネス圏」を形成し、我が国企業にとっての高収益環境を整える。
さらに、産業空洞化への懸念を払拭し、高付加価値産業の国内への集積を奨励すべく、「構造改革特区」の活用や、対内直接投資の促進、海外頭脳の誘致策の展開等により、内外の人材や企業が我が国に集まるような環境を整備する。
また、WTOの新ラウンドにおいて、2005年(平成17年)1月の交渉期限に向けて、世界大の貿易・投資の自由化・ルールの強化を進展させるよう交渉を進める。また、途上国の開発問題には、自由貿易拡大の観点から的確に対応する。
この、世界大の貿易・投資の自由化・ルールの強化を進展させるよう交渉を進める。という部分は文化庁の著作権法の輸入権導入と相反する物ではないでしょうか?
又、
経済産業省の政策分野に於いてもサービス産業政策の中で
また、映画、音楽、ゲームなどはコンテンツと呼ばれるだけあって中身が大切です。最近では、インターネットでダウンロードして再生、加工することが自由自在の世の中になっています。よいコンテンツが生まれ、そして皆が安心して利用できるようにするためのルール整備に取り組んでいます。
は今後の音楽配信サービスに付いての布石とも取れます。更に、消費者政策の中で、
豊かな暮らしを送りたい、良質で安価な財・サービスを提供して欲しい。消費者の声・力こそが、これを実現します。経済産業省では、経済活動の主体としての消費者が、自己責任に基づいて安心して取引が行えるよう、消費者への情報提供、消費者取引を巡るルール整備・運用等に取り組みます。
と書いてある様に経済産業省の見解は消費者重視の政策を実現させようとしています。対して、文化庁はあれ程消費者側や著作権法の著名人、消費者団体や弁護士連盟等から批判や反対があったにも関らず、著作権法を改正(悪)し、輸入権を導入し、更に再販制度も維持させるという、世界でも全く例が無い著作権法に変えてしまいました。又、産業財産政策の中では、
発明やブランド、デザイン、さらには音楽・映画などのコンテンツ−これら無形資産の生み出す価値に大きな注目が集まっています。情報や知識が大きな価値を生み出す「知恵の時代」を迎え、知的財産の重要性はこれまで以上に増しています。
質の高い知的財産を生み出す仕組みを整え、知的財産を適切に保護し、知的財産が社会全体で活用され、再投資により更に知的財産を創造する力が生み出されてくるという「知的創造サイクル」がスピードをもって拡大循環すれば、知的財産は大きな利益を生み、経済・社会の発展の強力なエンジンとなります。2002年7月に知的財産戦略会議が策定した「知的財産戦略大綱」は、このような「知的創造サイクル」を基軸とした社会経済システムを構築し、「知的財産立国」の実現を国家目標とすることを宣言しました。
この部分で疑問なのが果たして文化庁は知的財産を適切に保護しているのか?という点です。
経済産業省では様々なパブリック・コメントを募集しています。その中でも輸入権関連に対して重要と思われるのが、
2005年版不公正貿易報告書「掲載検討案件リスト」に対する意見募集についてと思われます。
例えば、2004年の
2004年版 不公正貿易報告書(PDF形式)の第12章 知的財産保護制度の5ページから始まる(4)経済的視点及び意義を読んでみると不十分又は不適切な知的財産権の保護のもたらす貿易歪曲効果の部分は真向から文化庁と対峙する物ではないでしょうか? 又、7〜9ページの コラム米国の特異な知的財産保護制度の9ページの著作権制度も目を通された方が宜しいかと思います。
又、
日本関税協会知的財産情報センターのWebを見るとCIPIC講演会のお知らせ(12月3日開催)国際的な知的財産侵害事件に関する裁判例の動向という講演が行われる予定で、概要は
知的財産権に関する国際的な紛争が裁判になった事例は未だ多いとまではいえないが,経済のボーダーレス化が進むなかで次第にその数を増やしてきている。本報告では, 国際的な知的財産権の侵害事件を取り上げた最高裁判決を中心に,条文だけからは分かりにくい国際的な知的財産侵害訴訟の一端を紹介する。具体的には,国際的な裁判管轄の問題,属地主義,国内の特許権侵害行為に供するための部品等が外国で製造された場合の取扱い,並行輸入と特許権侵害,商標権侵害の成否を取り上げる予定である。
となっています。
更に疑問なのが輸入権を行使した場合不正競争防止法に抵触しないか?という事です。
知的財産政策/不正競争防止以上の点を踏まえると文化庁が行っている事は経済産業省=国策としての経済戦略方針と違っているのではないでしょうか?しかし、一方で経済産業省と言っても全てが正しい、という訳では無く、環境省等とも相反する政策(環境税問題)を持っていたり、省庁間でのパワーバランスは色々とある様です。
posted by Tonton at 13:00
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